多摩市の京王線沿線にある「聖蹟桜ヶ丘駅」。この周辺の土地が「良くない」、「やばい」と言う人もいるようですが、実際のところどうなのか調べてみました。
聖蹟桜ヶ丘とは?
聖蹟桜ヶ丘は、東京都多摩市北部に位置する聖蹟桜ヶ丘駅周辺の地域です。聖蹟桜ヶ丘駅は、京王電鉄京王線の駅で、新宿駅から特急で約30分、快速で約50分ほどかかります。
聖蹟桜ヶ丘駅周辺の桜が丘宅地は、昭和30年代に京王電鉄の都市開発の一つとしてニュータウンとして整備され、1971年に1300区画を完売しています。多摩ニュータウンと並ぶ、昭和3、40年代に計画・開発された大規模ニュータウンの一つです。
また、ジブリ映画の『耳をすませば』のモデルになった土地でもあり、アニメファンの聖地巡礼スポットとしても有名です。
そんな聖蹟桜ヶ丘の土地が「良くない」といわれる理由について、まとめてみました。
聖蹟桜ヶ丘の土地が「良くない」といわれる理由は?
聖蹟桜ヶ丘駅周辺の「坂道がつらい」
桜が丘の宅地は小高い宅地の上にあり、聖蹟桜ヶ丘駅から住宅地に行くまで坂道が続き、徒歩で15分ほどかかります。
また、住宅地が広がる丘の上は、スーパーやコンビニがほとんどなく、坂を上り下りして駅前の商店街にまで足を伸ばす必要があります。若いころはいいものの、歳を取って坂の上り下りは大変、というのを理由に引っ越す高齢者も多くなっているようです。
かつて高級住宅地であった聖蹟桜ヶ丘の土地が投げ売りされるなど、このままでは街が衰退して「ゴーストタウン」になってしまうのではないかと心配する人もいるようです。
多摩川沿いで浸水リスクが高い
住宅地は高台にある一方、京王電鉄関連のオフィスや商業施設が立ち並ぶ駅周辺は、多摩川沿いに位置しており、洪水・土砂災害時の浸水リスクが高いエリアとなっています。
上記は、多摩市がホームページで公開しているハザードマップです。地図上の赤色のエリアが、多摩川が氾濫した際、洪水・土砂災害時のリスクが高くなっています。
聖蹟桜ヶ丘駅周辺は、ハザードマップ上で赤色の箇所は、浸水リスクが高いエリアとなっています。2019年には多摩川の氾濫により、二子玉川駅周辺や川崎市高津区などで浸水が発生したことは記憶に新しいところです。
東京都「地震に関する地域危険度測定調査」によると、多摩市は地盤が固く、都内でも相対的に地震のリスクの低いエリアとして評価されているものの、聖蹟桜ヶ丘駅の北側の多摩川沿いの関戸町一体は、河川によって運搬された砕屑物が堆積した沖積低地であり、多摩市の中でも地盤が緩く、液状化リスクのある地域となっています。
近年、天候の変化から豪雨災害が増えており、2020年からは、物件の売買時には、物件周辺のハザードマップを説明することが、法律で義務付けられました。こういった理由も聖蹟桜ヶ丘の土地が「良くない」と言われる理由の一つとしてあるかもしれません。
近年、再開発が進む聖蹟桜ヶ丘
以上、聖蹟桜ヶ丘の土地が「良くない」と言われる理由について考察してきました。
一方、大規模マンションの建設も進んでおり、今後の発展が見込まれます。Brillia 聖蹟桜ヶ丘、Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘と、聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩5分の多摩川沿いに、大規模住商一体施設の建設が進み、新たな街の開発が進んでいます。
これらの新築マンションに併設する商業施設「サクラテラスモール」が、2023年12月に開業予定です。
聖蹟桜ヶ丘に足を運んで、本当に「良くない」土地かどうか自分の目で確かめてみてはどうでしょうか。
この記事を書いた人
宅地建物取引主任者。某通信キャリアGに勤務した後、インターネット企業で、専任宅建士、不動産メディアの責任者、全国に展開する住宅FCのWEB戦略など、IT・不動産業に従事。
最近は、物流関係の仕事で、関東・関西を行き来しています。
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